「生麺」と「半生麺」と「乾麺」ってどう違うの?
生麺、乾麺、半生麺の大きく違うところは、干しているか干していないかで決まります。
ここではラーメン、うどん、蕎麦、そうめん、パスタなど、一般に出回っている商品の解説を行いたいと思います。
生麺は、必要な食材を練り合わせて製麺し、乾燥工程を行っていないものです。
一方乾麺は製麺後に干して乾燥させたもので、賞味期限が1年以上のものが多く見られます。
そして乾燥させる工程で、素材の風味が損なわれてしまうデメリットがあります。
乾麺の欠点を解消した半生麺
半生麺は製麺後に加熱空気や常温で乾燥させ、乾麺よりも高水分の段階でストップする方法です。
乾麺の欠点を解消するため生まれたもので、日持ちが1ヶ月から2ヶ月ほどあります。
水分を多く含んでいるのでモチモチとした食感と風味が特徴で、専門店のような味わいを楽しめる魅力があります。
水分の影響で賞味期限が決まるため、それぞれのメリットとデメリットがあります。
今回は生麺と半生麺の美味しい茹で方や冷やし方に、フォーカスしたいと思います。
料理研究家の視点から、アレンジやレビューを交えつつ、美味しい調理法をご紹介しますので、どうぞお楽しみに。
温かい麺と冷たい麺
製麺したばかりの麺は、表面によく粉が付いています。
こうした表面に粉が付いた麺は、茹で方一つで味や食感が大きく変わります。
また温かい料理と冷たい料理では、調理方法のポイントも微妙に異なります。
さらに、同じ麺でも一緒に召し上がるスープやソース、つけタレによって、調理方法を少し変えることが美味しく食べるコツと言えます。
それぞれの方法を詳しくご紹介いたしますので、最適なお料理の楽しみ方をお伝えいたします。
ベスト状態の麺に仕上げるポイント
ベスト状態の麺を作り上げる、3つのポイントをご紹介します。
- 適切なお湯の量と沸騰のキープ
- 沸騰のタイミング
- 妥協のない氷水使用(冷製のみ)
適切なお湯の量と沸騰のキープ
茹でる際には、たっぷりのお湯が欠かせません。
特に寸胴(大きめの鍋)を使用して、麺の重量の10倍以上のお湯が理想的な目安です。
なぜなら少ないお湯だと麺についている粉が水分に溶け込んでしまい、麺が少しねっとりしてしまいます。
このねっとり感で麺が水分を十分に吸収せず、食感が悪くなってしまいます。
たっぷりのお湯を準備すると沸騰をキープすることができ、上手に茹で上げられます。
美味しい麺を作るために、適切なお湯の量と沸騰のキープに留意しましょう。
沸騰のタイミング
料理人の私が大切にしているのは、沸騰のタイミングです。
私自身、せっかちな性格なので、ついつい沸騰を待たずに麺を鍋に入れてしまうことがあります。
商品の説明には、適切な茹で時間が示されていることが一般的です。
たとえば「5分」と記載されている場合を考えてみましょう。
実際に沸騰を待たずに麺を入れると、5分だけでは上手に麺を茹でることはできません。
麺が最適な食感になるには、沸騰したお湯に入れることが条件です。
また規定の分数以下で茹でると、いくつかの問題が生じます。
麺にムラができてしまうことや、中が冷たく仕上がること。
ほぐれずにボソボソとした食感になること、またコシが失われてしまうこともあります。
美味しく麺を茹でるためには、しっかする沸騰するのを待つのが何よりも大切です。
温かい麺を作る時の茹で上がり後
茹で上がったら、ザルに移し水道水で優しく揉むようぬ滑りを落としてください。
そうすることで粉がしっかりと落ちで、口当たりが良くなります。
器に盛る前にお湯に15秒ほど通すと、美味しく食べれます。
※時短の場合はザルに移す時に、少しお湯を残しておくと、それ使えます
冷製の麺を作る時は妥協のない氷水使用
ここでは冷たいメニューに限りますが、流水だけで冷たくする事例をよく伺います。
流水だけだと芯まで冷やすのに時間がかかり、せっかく茹で時間がうまくコントロールできたのに、思いのほか火が通ってしまいます。
そこで上手に素早く麺を冷やす方法ですが、氷をたっぷりと入れて一気に締めます。
麺を美味しく食べるためには、最適な食感に茹で上げることが非常に大事なポイントです。
妥協のない氷水で冷やすことで、これまで以上に美味しい麺を召し上がっていただけるようになります。
生麺、半生麺と合わせる調味料
うどんやラーメンにはスープ、パスタにはソースなど、ご自宅に居ながらお好みの具材でお好みのメニューを本格的に作れるのがの良いところです。
美味しく食べるポイントは、スープやソースの準備をしっかり行うことです。
熱々の中華麺が茹で上がったタイミングで、熱々のスープの準備が完了しているのが理想的です。
冷たいそうめんができる前に、冷蔵庫に冷たい麺つゆが用意できている感じです。
お好みの食べ方を最も美味しく食べるためには、合わせる調味料や食材の準備もしっかり行いましょう。
生麺や半生麺を扱う注意点
よくありがちな失敗事例として、スープでそのまま茹でたり、鍋の締めなどにそのまま生麺を入れて茹でるということを耳にします。
茹で上がった冷凍麺などに比べて、乾燥を防ぐために粉が付着している麺がほとんどです。
そのまま茹でるとせっかくのスープに粉が入り、ドロっとして全く別の味になってしまいます。
また他の食材が滑ってしまい、料理を台無しにしてしまいます。
生麺や半生麺を使用する際には、別の鍋にたっぷりのお湯を沸騰させ事前に茹でてから鍋にいれましょう。
こうすると粉が溶けることはなくなり、最後まで同じ美味しさでお鍋を楽しめます。
料理の最終味を損なわず、食材の良さを引き出す工夫が大切です。
最後に
生麺、半生麺は、麺専門店が製麺した飲食店で食べられるのと同じ本格的なものです。
それぞれにこだわった仕上がりが、楽しめるのもポイントです。
食べたい時に、食べたい味で、食べたい量を。
美味しく食べられる生麺、半生麺は、非常に身近な存在です。
だからこそひと手間をかけて、美味しく召し上がっていただけたらと思っております。